No.131:バックナンバー
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■LAIT News【Vol.131 2009/9/18号】■
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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。
*協賛:三好内外国特許事務所
■■最新の活動報告■■
「コンテンツ流通ビジネス構築に向けてのチャレンジ」は好評のうちに
終了いたしました。
たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。
■■10月の活動予定■■
演題:「ネット社会と著作権制度について」
講師:川瀬 真(かわせ まこと)氏
文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長
概要:ネット社会の到来とともに著作権制度のあり方を見直すべきだという考えが
台頭してきている。権利保護と利用の円滑化のバランスについて、後者に
軸足を移そうとする考えだ。今回の著作権法改正は、新法制定以来の
大改正であり、ネット社会の進展とともに従来から指摘されていた課題の
多くに対応している。しかし、制度見直しの軸足は従来と異なるものでは
ない。
今回の講義は、今回の改正の内容(特にネット利用関係)の説明とともに、
ネット社会と著作権制度のあり方の問題も取り上げることとする。
日時:平成21年10月22日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=618
■■11月の活動予定■■
演題:「Google訴訟和解の意味するものとその影響」
講師:樋口 清一氏(ひぐち せいいち)氏
社団法人日本書籍出版協会 事務局長兼調査部長
概要:昨年10月の、全米作家組合及び有力出版社とGoogleとの間での
訴訟和解は、全世界の著作者、出版者に大きな衝撃と困惑を与えた
事件であった。
Googleというひとつの民間会社が全世界の700万件を超える
出版コンテンツのデジタルデータを持ち、検索のみならず全文を有料で
公開しようという計画に対し、従来の著作物利用の慣行に馴染まない
手法を採ったことへの戸惑いや、手続き面での不親切さへの怒り、
一企業への情報独占が表現の自由に与える影響を憂慮する声など、
様々な見地からの批判や論評が行われた。
訴訟和解は今秋10月以降に裁判所で承認されて発効することになるが、
世界各地から異議申し立てが行われており、果たして無事承認されるか
どうか予断を許さない状況である。
一方、このGoogle問題はそれ自体の帰趨にとどまらず、今後の出版業界
ひいては情報コンテンツの流通のあり方に一石を投じる大きな意味を
持っている。
このような観点から、再度Google訴訟和解の意味を検証するとともに、
これに触発されて始まろうとしている大きな変革の可能性について
論じたい。
日時:平成21年11月19日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=621
■■12月の活動予定■■
演題:「著作権法改正を踏まえての取り締まり方針」
講師:久保田 裕氏(くぼた ゆたか)氏
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS) 専務理事
日時:平成21年12月17日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:次号でご案内いたします。
*講師・日時は確定していますが、演題は予定ですので、変更になる場合がございます。
*概要や申込URLについては次号でご案内いたします。
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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。
■■米グーグルが書籍検索サービスで欧州向けに譲歩策、「欧州基準」で
絶版判断■■
●米グーグルは7日、同社が進める書籍のデジタル化計画に関して、欧州市場で
流通している著作権保護期間内の書籍については米国で絶版になっている場合
でも、著作権者の許可がなければデータベース化しない方針を打ち出した。欧州
内で同社の「ブック検索」サービスによる著作権侵害を懸念する声が高まっている
のを受けた措置。グーグルはさらに、昨年10月に米国の出版業界と合意した和解
契約に基づいて新たに設立する著作権管理のための非営利組織「版権レジストリ」
について、理事会メンバーに米国以外の代表を加える方針も明らかにした。
欧州ではドイツやフランスの作家組合などがグーグルへの反発を強めており、
欧州委員会は加盟国の要請を受けて同社のブック検索サービスがEUの著作権
ルールに抵触しないか調査を進めている。7日には同サービスが欧州の権利者に
及ぼす影響を検証するための公聴会が開かれ、域内の出版社などから和解案が
裁判所に承認された場合、デジタル書籍市場でグーグルによる事実上の独占が
形成されるといった意見が相次いで表明された。グーグルはこうした批判に対応
するため、欧州出版業界の主要団体に書簡を送り、2つの譲歩策を提示した。
和解案が承認されると米国のユーザーは著作権保護期間が終了した書籍に
加え、絶版または米国で市販されていない保護期間内の書籍も閲覧できるよう
になる。著者や出版者が事前に公開を拒否した場合は検索対象から除外されるが、
市販されているかどうかは米国内での流通状況に基づいて判断されるため、
欧州市場で市販されている保護期間内の書籍が権利者の許可なくデータベース
化される可能性がある。グーグルはこうした懸念に応えるため、欧州内で流通して
いる書籍については米国での入手が不可能な場合でも、権利者の明確な許可が
ない限り、検索対象としないことを確約している。
グーグルはまた、著者、出版社、その他の権利者の代理として書籍検索サービス
から得られる収入を一括管理する版権レジストリについて、新たに欧州の出版社や
作家などを理事会メンバーに加える方針も明らかにした。同社は和解に基づき、
版権レジストリの設立に1億2,500万ドルを投じることに同意している。
グーグルの書籍検索サービスをめぐっては、米司法省が独禁法の調査を進めて
いる。また、8月末には同社と出版業界が合意した和解案に反対するマイクロソフト
、ヤフー、アマゾンなどが中心となって「オープン・ブック・アライアンス」を結成。
デジタル書籍市場で公正な競争が確保されるよう、グーグルに和解内容の修正を
求めていく方針を示している。アライアンスには3社のほかに出版社、権利者団体、
図書館関連団体、ジャーナリストの団体などが参加している。
(Associated Press, September 7, 2009 他)
■■グーグルが他社への書籍データ開放を提案、米著作権局は和解案を批判■■
●米グーグルは10日、同社が進める書籍のデジタル化計画に関して、電子化した
書籍のデータを他社に開放する方針を明らかにした。同社は「ブック検索」サービス
をめぐる集団訴訟で米出版業界と合意した和解案の承認を目指しているが、
米通販大手アマゾンなどはデジタル書籍市場でグーグルの独占が進むとして
和解案に強く反対している。グーグルの書籍検索サービスをめぐっては、米司法省
が独禁法の調査を進めており、各方面からの批判をかわすために譲歩策を
打ち出したものとみられる。
米下院司法委員会が同日開いた公聴会でグーグルのデビッド・ドラモンド最高
法務責任者が証言を行い、書籍データの開放を表明した。和解案が裁判所に
承認されると著作権保護期間が終了した書籍に加え、権利者が公開を拒否しない
限り、絶版または市販されていない保護期間内の書籍についても電子化して販売
することが可能になる。グーグルが提示した譲歩策により、アマゾンや各書店など
は和解によってグーグルが得るこうした権利を利用して、絶版本の書籍データを
自由に販売できるようになる。
一方、公聴会では米著作権局の幹部がグーグルと出版業界の和解案に反対
する立場を表明した。メリーベス・ピーターズ著作権登録局長は和解が成立した
場合、権利者が公開を拒否する意思表示を行わない限り、著作権保護期間内で
あっても絶版本などの書籍データが公開される点を特に問題視し、権利者の
許可なく書籍データを公開することは「明らかに著作権侵害にあたる」と発言。
現行ルールの下で和解案の内容を実施することは不可能との認識を示した。
同局長はさらに、和解の影響を受ける海外の作家や出版社などの間で著作権
侵害を懸念する声が高まっていると指摘。外交上の問題に発展する可能性も
あると警告した。
ニューヨーク連邦地裁は10月に7日に公聴会を予定しており、各方面からの
意見を踏まえて和解案を認めるかどうか最終判断する。
(Wall Street Journal, September 11, 2009 他)
(庵研究員著)
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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。
■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■
●9月3日、日本ネットワークセキュリティが【「個人情報漏えいインシデント
調査結果データ集2008」CD-ROM】を刊行
詳細:http://www.jnsa.org/result/2008/surv/incident/cdrom_order.html
●9月4日、経済産業省が「情報システムの信頼性向上に関する評価指標
(第1版)」を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/20090904003/20090904003.html
●9月4日、日本ネットワークセキュリティが「インターネット安全教室」のHPを
リニューアル
詳細:http://www.net-anzen.go.jp/
●9月9日、情報処理推進機構が【「Microsoft Windows」におけるセキュリティ上の
弱点(脆弱性)の注意喚起】を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2009/200909_windows.html
●9月11日、情報処理推進機構が「海外の情報セキュリティ関連文書の2009年度
翻訳」を公開
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20090911.html
■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■
●9月3日、日本映像ソフト協会が総務省情報通信審議会「中間答申」について
総務省に意見書を提出
詳細:http://www.jva-net.or.jp/news/news_090903/cover.pdf
●9月16日、日本レコード協会が【「違法音楽配信対策協議会」の設立について】を
公表
詳細:http://www.riaj.or.jp/release/2009/pr090916.html
■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■
●9月14日、経済産業省が【日中で「知的財産人材育成協力」の覚書を締結
〜日中の知的財産人材育成の協力強化へ〜】を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/20090914006/20090914006.html
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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。
■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■
演題:情報セキュリティ監査セミナーin高松の開催ご案内
日時:平成21年9月30日
主催:経済産業省、特定非営利活動法人日本セキュリティ監査協会(JASA)
詳細:http://www.jasa.jp/seminar/secf2009lh/sec_takamatsu.html
演題:情報セキュリティ監査セミナーin仙台の開催ご案内
日時:平成21年10月2日
主催:経済産業省、特定非営利活動法人日本セキュリティ監査協会(JASA)
詳細:http://www.jasa.jp/seminar/secf2009lh/sec_sendai.html
演題:中小事業者のための「プライバシーマーク制度説明会」開催のご案内
日時:平成22年1月20日
主催:プライバシーマーク制度
詳細:http://privacymark.jp/news/2009/0625/index.html
■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■
演題:平成21年10月著作権研究会
「情報世界の覇権と著作権の戦略」
日時:平成21年10月22日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar.html
■■産業財産権法務関連セミナー情報■■
演題:平成21年度中小・ベンチャー企業向け知的財産セミナー(中級)
日時:平成21年度9月24,28日
主催:社)発明協会
詳細:http://www.jiii.or.jp/semina/index.html
演題:知的財産アドバイザー研修
日時:10月1,2,21,26日、11月6,9,16,24,30日
主催:社)発明協会 知的財産研究センター 知的財産人材育成グループ
詳細:http://www.chizaijinzai.com/
演題:初級講座「産業財産権手続講座〜出願から登録まで〜」
日時:平成21年11月12,13日
主催:(社)発明協会
詳細:http://www.jiii.or.jp/kenshu/pdf/211112-1113_sangyo.pdf
演題:知的財産権ライセンスセミナー
日時:平成21年11月21日
主催:日本弁理士会近畿支部
詳細:http://www.kjpaa.jp/
*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。
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5.事務局からの連絡
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●次号は、2009年10月5日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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■本メールは、IT企業法務研究所の会員様およびLAIT NEWS登録会員様に
お送りしているものです。
本メール配信サービスに関するお問い合わせ、配信停止、登録されている
電子メールアドレスの変更等をご希望される方は、お手数ですが、研究所
事務局までご連絡ください。
なお、当メールマガジンに記載されている情報の正確さについては万全を
期しておりますが、本メールによって提供された情報に基づくすべての行為に
よって会員がいかなる損害を受けた場合であっても研究所は一切の責任を
負いかねます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【お問合せ先】 IT企業法務研究所 事務局
株式会社インタークロス
東京都千代田区内神田2-2-6 田中ビル6F
TEL:03-5207-5102
FAX:03-5207-5101
Email:webmaster@lait.jp
URL :http://www.lait.jp/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【協賛】
IT企業法務研究所は、次の企業から特別協賛をいただいております。
三好内外国特許事務所、東京電力株式会社、
株式会社フジテレビジョン
(順不同)
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Copyright(C)2004-2009 INTERCROSS All Rights Reserved. (無断転載禁止)
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■LAIT News【Vol.131 2009/9/18号】
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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。
*協賛:三好内外国特許事務所
■■最新の活動報告■■
「コンテンツ流通ビジネス構築に向けてのチャレンジ」は好評のうちに
終了いたしました。
たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。
■■10月の活動予定■■
演題:「ネット社会と著作権制度について」
講師:川瀬 真(かわせ まこと)氏
文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長
概要:ネット社会の到来とともに著作権制度のあり方を見直すべきだという考えが
台頭してきている。権利保護と利用の円滑化のバランスについて、後者に
軸足を移そうとする考えだ。今回の著作権法改正は、新法制定以来の
大改正であり、ネット社会の進展とともに従来から指摘されていた課題の
多くに対応している。しかし、制度見直しの軸足は従来と異なるものでは
ない。
今回の講義は、今回の改正の内容(特にネット利用関係)の説明とともに、
ネット社会と著作権制度のあり方の問題も取り上げることとする。
日時:平成21年10月22日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=618
■■11月の活動予定■■
演題:「Google訴訟和解の意味するものとその影響」
講師:樋口 清一氏(ひぐち せいいち)氏
社団法人日本書籍出版協会 事務局長兼調査部長
概要:昨年10月の、全米作家組合及び有力出版社とGoogleとの間での
訴訟和解は、全世界の著作者、出版者に大きな衝撃と困惑を与えた
事件であった。
Googleというひとつの民間会社が全世界の700万件を超える
出版コンテンツのデジタルデータを持ち、検索のみならず全文を有料で
公開しようという計画に対し、従来の著作物利用の慣行に馴染まない
手法を採ったことへの戸惑いや、手続き面での不親切さへの怒り、
一企業への情報独占が表現の自由に与える影響を憂慮する声など、
様々な見地からの批判や論評が行われた。
訴訟和解は今秋10月以降に裁判所で承認されて発効することになるが、
世界各地から異議申し立てが行われており、果たして無事承認されるか
どうか予断を許さない状況である。
一方、このGoogle問題はそれ自体の帰趨にとどまらず、今後の出版業界
ひいては情報コンテンツの流通のあり方に一石を投じる大きな意味を
持っている。
このような観点から、再度Google訴訟和解の意味を検証するとともに、
これに触発されて始まろうとしている大きな変革の可能性について
論じたい。
日時:平成21年11月19日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=621
■■12月の活動予定■■
演題:「著作権法改正を踏まえての取り締まり方針」
講師:久保田 裕氏(くぼた ゆたか)氏
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS) 専務理事
日時:平成21年12月17日(木)午後2時〜午後4時
場所:虎ノ門フォーラム(虎ノ門琴平タワー22階)
申込:次号でご案内いたします。
*講師・日時は確定していますが、演題は予定ですので、変更になる場合がございます。
*概要や申込URLについては次号でご案内いたします。
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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。
■■米グーグルが書籍検索サービスで欧州向けに譲歩策、「欧州基準」で
絶版判断■■
●米グーグルは7日、同社が進める書籍のデジタル化計画に関して、欧州市場で
流通している著作権保護期間内の書籍については米国で絶版になっている場合
でも、著作権者の許可がなければデータベース化しない方針を打ち出した。欧州
内で同社の「ブック検索」サービスによる著作権侵害を懸念する声が高まっている
のを受けた措置。グーグルはさらに、昨年10月に米国の出版業界と合意した和解
契約に基づいて新たに設立する著作権管理のための非営利組織「版権レジストリ」
について、理事会メンバーに米国以外の代表を加える方針も明らかにした。
欧州ではドイツやフランスの作家組合などがグーグルへの反発を強めており、
欧州委員会は加盟国の要請を受けて同社のブック検索サービスがEUの著作権
ルールに抵触しないか調査を進めている。7日には同サービスが欧州の権利者に
及ぼす影響を検証するための公聴会が開かれ、域内の出版社などから和解案が
裁判所に承認された場合、デジタル書籍市場でグーグルによる事実上の独占が
形成されるといった意見が相次いで表明された。グーグルはこうした批判に対応
するため、欧州出版業界の主要団体に書簡を送り、2つの譲歩策を提示した。
和解案が承認されると米国のユーザーは著作権保護期間が終了した書籍に
加え、絶版または米国で市販されていない保護期間内の書籍も閲覧できるよう
になる。著者や出版者が事前に公開を拒否した場合は検索対象から除外されるが、
市販されているかどうかは米国内での流通状況に基づいて判断されるため、
欧州市場で市販されている保護期間内の書籍が権利者の許可なくデータベース
化される可能性がある。グーグルはこうした懸念に応えるため、欧州内で流通して
いる書籍については米国での入手が不可能な場合でも、権利者の明確な許可が
ない限り、検索対象としないことを確約している。
グーグルはまた、著者、出版社、その他の権利者の代理として書籍検索サービス
から得られる収入を一括管理する版権レジストリについて、新たに欧州の出版社や
作家などを理事会メンバーに加える方針も明らかにした。同社は和解に基づき、
版権レジストリの設立に1億2,500万ドルを投じることに同意している。
グーグルの書籍検索サービスをめぐっては、米司法省が独禁法の調査を進めて
いる。また、8月末には同社と出版業界が合意した和解案に反対するマイクロソフト
、ヤフー、アマゾンなどが中心となって「オープン・ブック・アライアンス」を結成。
デジタル書籍市場で公正な競争が確保されるよう、グーグルに和解内容の修正を
求めていく方針を示している。アライアンスには3社のほかに出版社、権利者団体、
図書館関連団体、ジャーナリストの団体などが参加している。
(Associated Press, September 7, 2009 他)
■■グーグルが他社への書籍データ開放を提案、米著作権局は和解案を批判■■
●米グーグルは10日、同社が進める書籍のデジタル化計画に関して、電子化した
書籍のデータを他社に開放する方針を明らかにした。同社は「ブック検索」サービス
をめぐる集団訴訟で米出版業界と合意した和解案の承認を目指しているが、
米通販大手アマゾンなどはデジタル書籍市場でグーグルの独占が進むとして
和解案に強く反対している。グーグルの書籍検索サービスをめぐっては、米司法省
が独禁法の調査を進めており、各方面からの批判をかわすために譲歩策を
打ち出したものとみられる。
米下院司法委員会が同日開いた公聴会でグーグルのデビッド・ドラモンド最高
法務責任者が証言を行い、書籍データの開放を表明した。和解案が裁判所に
承認されると著作権保護期間が終了した書籍に加え、権利者が公開を拒否しない
限り、絶版または市販されていない保護期間内の書籍についても電子化して販売
することが可能になる。グーグルが提示した譲歩策により、アマゾンや各書店など
は和解によってグーグルが得るこうした権利を利用して、絶版本の書籍データを
自由に販売できるようになる。
一方、公聴会では米著作権局の幹部がグーグルと出版業界の和解案に反対
する立場を表明した。メリーベス・ピーターズ著作権登録局長は和解が成立した
場合、権利者が公開を拒否する意思表示を行わない限り、著作権保護期間内で
あっても絶版本などの書籍データが公開される点を特に問題視し、権利者の
許可なく書籍データを公開することは「明らかに著作権侵害にあたる」と発言。
現行ルールの下で和解案の内容を実施することは不可能との認識を示した。
同局長はさらに、和解の影響を受ける海外の作家や出版社などの間で著作権
侵害を懸念する声が高まっていると指摘。外交上の問題に発展する可能性も
あると警告した。
ニューヨーク連邦地裁は10月に7日に公聴会を予定しており、各方面からの
意見を踏まえて和解案を認めるかどうか最終判断する。
(Wall Street Journal, September 11, 2009 他)
(庵研究員著)
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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。
■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■
●9月3日、日本ネットワークセキュリティが【「個人情報漏えいインシデント
調査結果データ集2008」CD-ROM】を刊行
詳細:http://www.jnsa.org/result/2008/surv/incident/cdrom_order.html
●9月4日、経済産業省が「情報システムの信頼性向上に関する評価指標
(第1版)」を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/20090904003/20090904003.html
●9月4日、日本ネットワークセキュリティが「インターネット安全教室」のHPを
リニューアル
詳細:http://www.net-anzen.go.jp/
●9月9日、情報処理推進機構が【「Microsoft Windows」におけるセキュリティ上の
弱点(脆弱性)の注意喚起】を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2009/200909_windows.html
●9月11日、情報処理推進機構が「海外の情報セキュリティ関連文書の2009年度
翻訳」を公開
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20090911.html
■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■
●9月3日、日本映像ソフト協会が総務省情報通信審議会「中間答申」について
総務省に意見書を提出
詳細:http://www.jva-net.or.jp/news/news_090903/cover.pdf
●9月16日、日本レコード協会が【「違法音楽配信対策協議会」の設立について】を
公表
詳細:http://www.riaj.or.jp/release/2009/pr090916.html
■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■
●9月14日、経済産業省が【日中で「知的財産人材育成協力」の覚書を締結
〜日中の知的財産人材育成の協力強化へ〜】を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/20090914006/20090914006.html
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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。
■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■
演題:情報セキュリティ監査セミナーin高松の開催ご案内
日時:平成21年9月30日
主催:経済産業省、特定非営利活動法人日本セキュリティ監査協会(JASA)
詳細:http://www.jasa.jp/seminar/secf2009lh/sec_takamatsu.html
演題:情報セキュリティ監査セミナーin仙台の開催ご案内
日時:平成21年10月2日
主催:経済産業省、特定非営利活動法人日本セキュリティ監査協会(JASA)
詳細:http://www.jasa.jp/seminar/secf2009lh/sec_sendai.html
演題:中小事業者のための「プライバシーマーク制度説明会」開催のご案内
日時:平成22年1月20日
主催:プライバシーマーク制度
詳細:http://privacymark.jp/news/2009/0625/index.html
■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■
演題:平成21年10月著作権研究会
「情報世界の覇権と著作権の戦略」
日時:平成21年10月22日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar.html
■■産業財産権法務関連セミナー情報■■
演題:平成21年度中小・ベンチャー企業向け知的財産セミナー(中級)
日時:平成21年度9月24,28日
主催:社)発明協会
詳細:http://www.jiii.or.jp/semina/index.html
演題:知的財産アドバイザー研修
日時:10月1,2,21,26日、11月6,9,16,24,30日
主催:社)発明協会 知的財産研究センター 知的財産人材育成グループ
詳細:http://www.chizaijinzai.com/
演題:初級講座「産業財産権手続講座〜出願から登録まで〜」
日時:平成21年11月12,13日
主催:(社)発明協会
詳細:http://www.jiii.or.jp/kenshu/pdf/211112-1113_sangyo.pdf
演題:知的財産権ライセンスセミナー
日時:平成21年11月21日
主催:日本弁理士会近畿支部
詳細:http://www.kjpaa.jp/
*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。
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5.事務局からの連絡
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●次号は、2009年10月5日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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■本メールは、IT企業法務研究所の会員様およびLAIT NEWS登録会員様に
お送りしているものです。
本メール配信サービスに関するお問い合わせ、配信停止、登録されている
電子メールアドレスの変更等をご希望される方は、お手数ですが、研究所
事務局までご連絡ください。
なお、当メールマガジンに記載されている情報の正確さについては万全を
期しておりますが、本メールによって提供された情報に基づくすべての行為に
よって会員がいかなる損害を受けた場合であっても研究所は一切の責任を
負いかねます。
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【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT)
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