国立劇場燃える!!!
琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会東京公演
「翔べ!!世界へ・朝一サウンド」
IT企業法務研究所代表研究員 棚野正士
平成26年6月8日・日曜日17時、東京千代田区の国立劇場小劇場で、琉球古典安冨祖音楽研究朝一会東京公演「翔べ!世界へ・朝一サウンド」が開催された。
満員のお客さんと朝一門下250名の出演者で国立劇場全体が燃えるような熱気に包まれた。
琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会は、国指定重要無形文化財(人間国宝)照井名朝一が率いる単一門下の三線団体である。
後援プログラムによると、今回の公演の特徴は、(1)人間国宝照喜名朝一をはじめ、保持者、伝承者、師範、教師を中心に、琉球音楽の「~過去・現在・未来~」を物語風に構成し、その変遷を最高レベルの演奏と歌唱で具現化すること。(2)沖縄、東京、関東、関西、九州、ハワイ、ロスアンジェルスなど広範な地域から会員を招集し、沖縄の伝統音楽を通して国際交流を諮ること。(3)沖縄の伝統芸能を日本の中心東京から全国並びに世界へ発信し、後続の模範となることを大きな目的としている。
出演者はハワイ支部の50名を含め朝一門下250名。監修 三隅治雄、構成・演出 照喜名朝一。
この日のプログラムは以下の通り。
プロローグ | 中節(なかぶし) |
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第一部 |
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第二部 |
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プログラム前半は琉球古典音楽、後半は三線によるハワイ音楽、三線によるロック音楽であり、この日はまさに「世界の朝一サウンド」であった。
2020年オリンピック・パラリンピックの文化イベントを考えるとすれば、「朝一サウンド」あるいは琉球音楽・琉球舞踊・琉球芸能は大事な分野であると実感した。
追記:三線の奥底を流れる深い祈り
棚野正士
琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会は、国指定重要無形文化財・琉球古典音楽保持者(人間国宝)照喜名朝一が率いる単一門下の三線団体である。当日のパンフレットで照喜名朝一研究所の主な活動を見ると、「昭和35年(1960)、知念村字知念に研究所開設、当初7名でスタート」とある。7名から始まった研究所が国際的な三線の大集団に発展した照喜名朝一の三線に賭ける思いは何だろうか。
そこには“祈り”があるように感じる。
照喜名朝一は子供のころ、沖縄の戦火の中家族と共に山のような死体のなか、南部を逃げ回ったという。極限状態で逃げる内、家族で自決を決意したが手りゅう弾を見失い死ねなかったという。
照喜名朝一の音には沖縄の深い悲しみがある。深い祈りがある。わたくしは国立劇場で“朝一サウンドを聞きながらそう感じた。
以上