新刊書紹介:半田正夫・松田政行編「著作権法コンメンタール(1)(2)(3)」
(勁草書房、09年1月発行)
IT企業法務研究所代表研究員 棚野正士
企画から5年の歳月を経て、半田正夫・松田政行両氏の編集による「著作権法コンメンタール(1)(2)(3)」が09年1月、勁草書房から出版された。
著作権法124条、同附則18条、著作権等管理事業法34条を91名の執筆者(弁護士50名、大学研究者32名、他)が逐条解説した画期的な労作である。
半田・松田両氏は、「本書を作成するにあたっては、全国の学者・研究者・実務家にお願いして総動員態勢で臨み、著作権法に関するあらゆる文献や判例を参照し、他の立法例にも言及し、実務の扱いにも目配りをした、いわばわが国における著作権法コンメンタールの決定版にしようとの意気込みのもとにスタートした。」(はしがき)と述べており、著作権法関係文献としては歴史的な出版である。
本書は、「激流の中にある著作権を百出する議論を踏まえて解説」(はしがき)しており、読者としては“興味尽きない面白い”内容になっている。
各条文は、1.意義((1)本条の意義 (2)立法の経緯 (3)条約との関係 (4)外国の立法例)2.条文解説 3.論点解説 4.実務解説、で構成されている。
編集者は勁草書房編集部の竹田康夫氏に「気の遠くなるような事務作業に多大な尽力を頂いた」と謝意を述べているが、優れた編集実務者により、法律専門書のイメージを超えた読み易いレイアウトで、たいへん感じの良い造本になっている。
(1) 964ページ(1条―22条の2)9,000円(本体価格、以下同)
(2) 944ページ(23条―90条の3)9,000円
(3) 932ページ(91条―124条、附則、著作権等管理事業法)9,000円
以上