著作権研究所研究叢書 No.18 「パブリシティの権利をめぐる諸問題」発表される
2009.8.1
IT企業法務研究所代表研究員 棚野正士
社団法人著作権情報センター附属著作権研究所(阿部浩二所長)肖像権委員会(座長:阿部浩二所長)が「著作権研究所研究叢書No.18“パブリシティの権利をめぐる諸問題”」をこの度発表した。
肖像権委員会は2005年11月第1回以来、2009年3月第20回まで、3年余で20回の研究会を重ね報告書を纏めている。報告書はパブリシティの権利の沿革から外国法、判例、権利の性格、そして、パブリシティの権利の侵害に関する準拠法・国際管轄まで幅広く網羅しており、パブリシティの権利の研究には欠かせない貴重な文献である(なお、この事業はSARVH共通目的事業として行われている)。内容は次の通りである。
第1章 | パブリシティの権利の形成とその展開(阿部浩二) |
第2章 | アメリカ合衆国におけるパブリシティ権に関する議論の動向(田倉保) |
第3章 | ドイツにおける肖像に関する経済的利益の保護(本山雅弘) |
第4章 | 日本におけるパブリシティの権利に関する主な裁判例(牛木理一、早稲田祐美子) |
第5章 | パブリシティの権利の譲渡・相続(伊藤 真) |
第6章 | パブリシティの権利の侵害に関する準拠法・国際裁判管轄(道垣内正人) |
第7章 | プロ野球選手のパブリシティ権をめぐる諸問題―東京地判平18・8・1が積み残した課題(丹羽繁夫) |
下記の方々が肖像権委員会に参加している。
(座長) | 阿部浩二(社)著作権情報センター附属著作権研究所所長 |
(委員) | 伊藤真弁護士・弁理士 牛木理一弁理士 佐野文一郎(社)日本工芸会理事長 田倉保弁護士・弁理士 道垣内正人早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士 本山雅弘国士舘大学法学部准教授 早稲田祐美子弁護士 |
(オブザーバー) | 大和淳文化庁長官官房著作権課課長補佐 |
(事務局) | 財田寛子著作権研究所専任研究員 横山真司著作権研究所専任研究員 |
なお、報告書によると、湯浅政義(社)日本音楽事業者協会アドバイザーが第14回研究会に招かれ、「日本におけるプロダクションとアーティスト」について報告している。
以上