IT企業法務研究所 創作者の地位に関する研究網

国士舘大学知的財産大学院 上原伸一客員教授によるLAITセミナー

「今世紀の条約動向とマラケシュ条約の意味―人権条約と著作権条約の交錯―」

2013.11.15
IT企業法務研究所代表研究員 棚野正士

 2013年11月14日、IT企業法務研究所(LAIT)セミナーで、上原伸一国士舘大学知的財産大学院客員教授が「今世紀の条約動向とマラケシュ条約の意味―人権条約と著作権条約の交錯―」を講義した。
 上原講師は、「2012年6月“視聴覚実演に関するWIPO北京条約”が成立し、今年2013年6月“マラケシュ条約”ができた。突然の条約ラッシュの背後にはどのような流れがあったのか。それぞれの条約の歴史と現在のWIPOでの状態を紹介して、その背景事情を探る。」という趣旨で豊富な資料をテキストに2時間の名講義で行なった。
上原教授はマラケシュ条約の外交会議をはじめWIPOでの主要会議にはすべて参加し条約成立のウラオモテに通じており、貴重な資料による講義はセミナー参加者を魅了した。
 講義では、「条約に関するウィーン条約」が論じられ、「北京条約(AV条約)」「視聴覚障害者のための権利の制限と例外に関する条約(VIP)」、「放送条約」の動きが講義された。
VIP(マラケシュ条約)について、権利の制限と例外を定める条約は、少なくとも著作権の世界では初めてのものであると述べて、条約成立の過程と内容を上原講師作成の条約対訳資料により論じ、その意味と問題点を述べた。
 なお、LAITホームページ「海外ニュース」では、2013年6月27日付け「UN News Center」記事の「WIPO外交会議でマラケシュ条約採択」を紹介している(庵研究員)。

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