「カーボンナノチューブで中皮腫発生」のメカニズムを解明
ITのIP(Intellectual Property) 知識財産考
2008年5月に「アスベスト(石綿)」と同様に、カーボンナノチューブでも、悪性中皮腫を引き起こす可能性があると発表されましたが、今回、構造によってがんの起きやすさに大きな差があることが、名古屋大学などのグループが行った実験で分かりました。
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2008年5月20日に発表された報告
英エディンバラ大学のケネス・ドナルドソン教授らは、長繊維状と短繊維状のカーボンナノチューブ、長繊維状と短繊維状のアスベストファイバーを、それぞれマウスの腹腔に注入した。その結果、長繊維状のカーボンナノチューブは、長繊維状のアスベストファイバーと同様の作用を示した。長繊維状のアスベストファイバーは肺に深く浸透し、長さがあるために肺の自浄作用で除去することができず、肺がんや悪性中皮腫を引き起こしてしまう。
約20年前に発見されたカーボンナノチューブは、プラスチックのように軽量で鋼鉄のように強靭なことから、新薬や電池、エレクトロニクスなどさまざまな分野で活用されている。しかし発見当初から、ナノチューブの安全性を懸念する声があった。
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IT Media ニュースの記事より:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/21/news028.html
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名古屋大大学院医学系研究科(生体反応病理学)の豊国伸哉教授と大学院生の永井裕崇さんらの研究グループが解明した。
豊国教授らは今回、直径の異なる5種類の多層カーボンナノチューブを中皮細胞に投与し、電子顕微鏡などで観察した。すると、細いチューブの方が太い方より細胞膜や核に突き刺さりやすいことが分かった。中皮細胞に入るためには、細いだけでなく直線を保つだけの硬さが必要だということも分かった。
豊国教授らは「燃料電池やディスプレーなど、ナノチューブの応用や実用化研究が進む中、人と環境に安全な素材を作るための重要な情報を提示できた」と研究の意義を話しています。
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中日新聞の記事より:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011111590100914.html
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