ウィニー事件:最高裁で無罪が確定 著作権侵害に「ソフトは中立」と
ITのIP(Intellectual Property) 知識財産考
12月19日付けの最高裁判決で、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反ほう助罪に問われた元東京大助手のプログラマー、金子勇被告(41)に対し、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は検察の上告を棄却する決定を下しました。
裁判官5人のうち4人の多数意見。罰金150万円を言い渡した1審を破棄し、逆転無罪とした2審・大阪高裁判決(09年10月)が確定します。
金子被告は02年からウィニーを公開。入手した2人の男性=いずれも有罪確定=がゲームソフトなどを無許可で公開する著作権法違反行為を可能にしたとして、ほう助罪で起訴されました。
1審・京都地裁判決(06年12月)は「著作権侵害に利用されると認容して公開した」と有罪。
2審は「被告は違法使用を勧めて提供はしていない」として無罪にしていました。
小法廷は、ほう助の罪成立を限定的に解釈した2審判決について「法解釈を誤っている」と指摘。適法にも違法にも利用できるウィニーを中立価値のソフトだとした上で、「入手者のうち例外的といえない範囲の人が著作権侵害に使う可能性を認容して、提供した場合に限ってほう助に当たる」との初判断を示した。
その上で、金子被告については、ウィニーが著作権侵害に利用される可能性が増えてきたことを認識しつつも、利用者の4割程度にまで拡大するとは認識していなかったとして、ほう助の故意はなかったと結論付けた。違法なファイルのやり取りをしないよう注意書きを付記していた点なども考慮した。
出典元:毎日新聞 2011年12月21日 東京朝刊より
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111221ddm041040102000c.html
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