私的録音録画補償金制度、欧州委が改革棚上げ

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欧州委員会は13日、MP3プレーヤーやDVDレコーダーなどデジタル方式の録音・録画機器および媒体を利用した著作物の私的複製に対し、著作権者に一定の補償金を支払うことを定めた「私的録音録画補償金制度」の改革を当面見送る方針を明らかにした。欧州委はデジタル音楽市場で合法的な有料ダウンロードサービスのシェアが年々拡大している点や、デジタル著作権管理(DRM)技術の急速な進歩を踏まえ、補償金制度を段階的に廃止する方向で検討を進めており、今月20日の定例会議で改革案を採択する予定だった。
同委の報道官は「複雑な補償金制度についてさらに熟考が必要と判断した」と述べるにとどめ、方針転換の具体的な理由については言及を避けたが、フランスのドビルパン首相が今月初め、議論が尽くされていないとして欧州委のバローゾ委員長宛てに改革案の採択延期を求める書簡を送付しており、最終的に同委員長の指示で計画が棚上げされた。ドビルパン首相は著作権者の権利と文化的多様性を保護するため、補償金制度を維持すべきだと主張している。
EU内では現在、英国などを除く20カ国が私的録音録画補償金制度を導入しており、販売価格に上乗せする形で徴収された補償金は2005年に域内全体5億6,000万ユーロに上った。ただ、課金の対象となる機器や媒体は国によって異なり、金額も数ユーロから最大で90ユーロとばらつきがある。

(Reuters, December 13, 2006 他)

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