ターザンの「叫び声」は公共財産、OHIMが商標登録を却下

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 欧州共同体商標庁(OHIM)は10月31日、米国の作家エドガー・ライス・バローズの冒険小説を映画化した『ターザン』の主人公が発する「叫び声」を商標の保護対象とすることはできないとする裁定を下した。
 バローズ氏はターザンの叫び声が無断で携帯電話の着メロやゲームソフトなどに使用されるのを防ぐため、およそ10年前に共同体商標の登録を出願した。出願手続きを行ったロンドンのRGC Jenkins & Co.はターザンが発する独特の叫び声について「識別可能な5つの段階で成り立っている」と主張し、その根拠として音響分析装置を使って声を周波数・振幅分布・時間の三次元で表示したスペクトログラムを提出していた。
 しかしOHIMは、音符で示すことができる「音」は商標保護の対象となるが、ターザンの「叫び声」は音符にできないため保護要件を満たしていないと指摘。またスペクトログラムに関しても「表示された画像からその音が人間の声なのか、楽器の音なのか、あるいは動物の鳴き声なのか区別することは不可能」であり、グラフがターザンの叫び声を明確に表すものとは言えないと結論づけた。

(The Times, November 1, 2007)

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