欧州議会、視聴覚メディアサービス指令を可決

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 欧州議会は11月29日の本会議で、テレビ放送の規制緩和を促進するための「視聴覚メディアサービス指令」を賛成多数で可決した。EU加盟国は2009年末までに指令に基づいた新ルールの導入を義務付けられる。
 新指令はEUが1997年に採択した「国境なきテレビ指令」を発展させたもので、急速に進む放送と通信の融合に対応するのが最大の目的。09年以降はネット上で流れるテレビ放送やビデオ・オン・デマンド(VOD)などの動画配信サービスにも通常のテレビ放送と同じルールが適用される。
 視聴覚メディア指令をめぐる議論では、広告規制の緩和が最大の焦点となった。
新制度ではプロダクトプレースメントが条件付きで解禁され、テレビ番組の中で商品やブランド名を登場させることが可能になる。ただしニュース、報道番組、子供向け番組、ドキュメンタリー番組でのプロダクトプレースメントは禁止される。また事業者は番組の最初と最後、CMの後にプレースメント広告が流れる旨のメッセージを画面に表示することが義務付けられる。さらに各国政府は独自の判断で引き続きプロダクトプレースメントを禁止することができる。
 一方、コマーシャルの放送時間は引き続き1時間当たり最大12分に制限されるが、映画やニュース番組ではCMの挿入間隔が現行の45分から30分に短縮され、その他のジャンルについては挿入間隔に関する規制が撤廃される。
 このほか新指令は加盟国と欧州委員会に対し、事業者にジャンクフードのコマーシャルを排除するなど、子供をターゲットとした広告に関する行動規範の策定を促すよう求めている。

(European Parliament Press Release, November 29, 2007)

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