医薬品特許訴訟の「リバースペイメント」、米医療保険改革法案のカギに

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医薬品特許訴訟の「リバースペイメント」、米医療保険改革法案のカギに

 米オバマ政権が重要課題と位置付ける医療保険改革法案の成立に向けた調整が大詰めを迎えるなか、医薬品特許侵害訴訟で大手製薬会社がジェネリック医薬品メーカーに「和解金」を支払って後発薬の投入時期を遅らせる慣行を禁止するかどうかが焦点の1つになっている。米連邦取引委員会(FTC)のレイボビッツ委員長は13日、こうした「リバースペイメント」と呼ばれる慣行を禁止する条項を法案に盛り込むべきだとの考えを表明した。下院が可決した法案にはこうした慣行を禁止する条項が盛り込まれているが、昨年末に上院で可決された法案には盛り込まれておらず、法案一本化にあたり同条項をめぐって調整が難航する可能性がある。

 リバースペイメントは特許侵害訴訟でブランド医薬品を展開する大手製薬会社が和解に持ち込み、ジェネリック医薬品の投入時期を遅らせたり、販売方法や地域などに制限を加える目的で後発薬メーカーに対価を与える手法。具体的には金銭を支払ったり、最初にジェネリック医薬品を投入する独占的権利を与える方法がとられている。FTCは業界で広く行われているこうした慣行について、特許侵害訴訟の和解を口実にした競争制限的行為で違法との立場を表明している。

 FTCが同日公表したリポートによると、特許侵害訴訟で大手製薬会社がジェネリック医薬品メーカーに金銭を支払って和解に持ち込んだケースは2007年の14件から08年は16件、09年は19件と増加傾向をたどっていることが分かった。
04年にはこうしたケースは1件もなかった。FTCはリバースペイメントによってジェネリック医薬品の投入時期は通常に比べて平均17カ月遅れていると指摘。
結果的に消費者は長期にわたって価格が高いブランド医薬品を購入せざるを得ず、年間35億ドルが失われていると試算している。

 製薬業界はこうした批判に対し、訴訟が長引けばジェネリック医薬品の投入時期がさらに遅れることになると反論。リバースペイメントによる和解は特許侵害訴訟を少ない費用で早期に解決する有効な手段だと主張している。

(AP, January 13, 2010 他)

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