「自動CMスキップは著作権侵害」、米大手テレビネットワークがディッシュを提訴

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「自動CMスキップは著作権侵害」、米大手テレビネットワークがディッシュを提訴

 米衛星テレビ大手ディッシュ・ネットワークが運用するサーバー型デジタルビデオレコーダ(DVR)「Hopper」の自動CMスキップ機能をめぐり、米主要テレビネットワークのFox、NBC、CBSは5月24日、著作権侵害でディッシュを提訴したと発表した。一方、ディッシュは同機能の合法性を確認するため、3社にABCを加えた4大テレビネットワークに対し、同日付でニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起した。

 Hopperは「ネットワークDVR」と呼ばれるリモートストレージ型DVRと類似したシステムで、4大ネットでプライムタイムに放送されるすべての番組を自動録画し、最大8日間保存する機能を持つ。ディッシュは5月上旬、Hopperに録画された番組を再生する際、翌日の午前1時以降はすべてのコマーシャルを自動的にスキップする「AutoHop」と名付けた機能を新たに追加。
広告収入の減少につながる可能性がある同機能をめぐり、番組を提供するネットワーク側がディッシュへの反発を強めていた。

 ネットワーク側は自動CMスキップ機能の導入により、Hopperのユーザーが番組を録画・再生する際、放送内容が許可なく「改ざん」されることになり、放送局の著作権が著しく侵害されると主張している。NBCの親会社NBCUniversalは声明で「番組再送信にかかる契約上、ディッシュが自らの利益のため、一方的に広告に手を加える権利を持たないことは明らかであり、AutoHopの機能は違法だ」と指摘。Foxも同様の主張を展開し、「地上波放送の将来を守るため」、AutoHopの運用停止と損害賠償を求める訴えを起こしたと説明している。

 これに対し、ディッシュのデイビッド・ シュール番組編成担当上級副社長は、AutoHop機能によってCMが再生されなくなるだけで、録画から広告が削除されるわけではないと反論している。同氏はオンエアから自動スキップが機能するまで数時間の「ウィンドウ」を置いている点にも触れ、「既存のDVR技術を応用した合法的かつユーザーフレンドリーな機能だ」と強調。ネットワーク側がすでに提訴の方針を固めたとの情報があったため、防衛手段として裁判所からAutoHopが合法的なサービスであるとの認定を得る目的で、4大ネットに対する訴訟に踏み切ったと説明している。

(New York Times, May 24, 2012)

(庵研究員著)

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