フェイスブックが欧州ユーザーに対し顔認識機能を無効に、データ保護当局の勧告に対応

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フェイスブックが欧州ユーザーに対し顔認識機能を無効に、データ保護当局の勧告に対応

 アイルランドのデータ保護委員会(DPCI)は9月21日、米フェイスブックのプライバシーポリシーがEUデータ保護法に適合しているかどうかについての調査結果をまとめた監査報告書を公表し、同社がDPCIの勧告に従い、欧州のユーザーに対して顔認識機能を無効にしたことを明らかにした。

 問題になっている機能は、ユーザーの写真と他の写真を照合してタグ付けするよう友人たちに促し、投稿された写真に誰が写っているか判別できるようにするというもの。DPCIはフェイスブックが同機能を利用して、本人の許可を得ずにユーザーの顔認識データを収集し、膨大な量の写真データベースを作成したと指摘。昨年12月にユーザーのプライバシー保護強化に向けた45項目の改善勧告を行い、顔認識技術を利用したタグ付け機能を簡単にオプトアウトできる手段を追加するよう求めていた。

 DPCIによると、フェイスブックは同委の勧告に従い、欧州のユーザーを対象に写真へのタグ付け機能を無効にした。同社はまた、過去に欧州のユーザーから収集した顔認識データを10月15日までにすべて削除することに合意した。さらに今後、同機能を復活させる場合は、事前にユーザーの同意を得るプロセスなどについてDPCIの承認を得ることでも合意している。

 顔認識技術を利用したタグ付け機能をめぐっては、ドイツのデータ保護当局も「明示的なオプトイン同意」を要求するEU法に抵触するとの見解をまとめ、フェイスブックに対し、これまでに収集したユーザーの顔認識データを破棄するよう求めている。

(European Digital Rights, September 26, 2012 他)

(庵研究員著)

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