英IPOが著作権管理団体に対する新規制を提案、行動規範の違反行為に最大5万ポンドの制裁金

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英IPOが著作権管理団体に対する新規制を提案、行動規範の違反行為に最大5万ポンドの制裁金

 英知的財産庁(IPO)は9日、著作権管理団体に対する新たな規制案を発表した。自主規制の取り組みとして著作権ライセンス協会(Copyright Licensing Agency=CLA)が定めた行動規範(codes of practices)を逸脱する行為があった場合、IPOが著作権管理団体に対して最大5万ポンド(約800万円)の制裁金を科すことなどを盛り込んだ内容。10月7日まで意見募集を行い、各方面からの反応を規制案に反映させる。
 
 IPOは知的財産制度改革に向けて2011年にカーディフ大学のイアン・ハーグリーブス教授がまとめた「知的財産と成長戦略の見直し」と題する報告書(ハーグリーブス・レビュー)に基づき、昨年10月に著作権管理団体が遵守すべき原則を定めた「最低基準(minimum standards)」を公表。CLAはこれを受け、翌月に職員の行動基準、情報開示と透明性の確保、苦情処理など幅広い領域をカバーする行動規範を策定した。一方、今年4月に成立した「企業・規制改革法(UK Enterprise and Regulation Reform Act)」には、業界側の自主規制がうまく機能しない場合、監督機関に介入の権限を与える規定が盛り込まれている。IPOは同規定に基づき、CLAの行動規範を補完するルールの導入に向けて検討を進めていた。
 
 新たな規制案によると、著作権管理団体がCLAの行動規範を守らなかった場合、IPOは当該団体の会員やユーザーの利益を保護するため、「違反行為を抑止させる有効で適正」な制裁を課すことができる(制裁金は最大5万ポンド)。ただし、制裁を発動できるのは「深刻かつ持続的な違反行為があったことを示す明確な証拠」がある場合に制限される。一方、ビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)は自主規制が適正に運用されているかどうかを検証する「code reviewer」と呼ばれる専門家と、ルール違反の申立てを受けて調査を行うオンブズマン各1名を任命する権限を持つ。

(Out-Law.com, September 17, 2013 他)

(庵研究員著)

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