サイバー戦争の時代に突入!
クラウド情報セキュリティ
「サイバー戦争が始まっている時代にもかかわらず、私たちが依存しているITシステムは無防備のままだ」 。
カスペルスキーCEO ユージン・カスペルスキー氏は、4月12日に開催されたメディア向けセキュリティセミナーで
「Saving the World from Threats in the Age of Cyber Warfare(サイバー戦争の時代に脅威から世界を救う)」を
テーマに、世界を取り巻くサイバー犯罪の脅威について講演を行い、警鐘を鳴らしました。
[私たちをとりまくさまざまなITは、常に攻撃の脅威にさらされている]
「例えば自動車にはカーナビゲーションシステムが搭載されており、オンラインでさまざまな情報が
送られてきます。電車もそう。欧州ではコンピュータがダウンしたため電車の運行情報が乱れ、追突事故が
発生するなどということもあった」
プライベートな写真やTwitterやFacebookの書き込みなど個人の生活はもちろん、ビジネス、政府、
産業システムなどあらゆる情報が電子化さ れ、オンライン上で保管されている。そして不幸にも
「それらすべてがハッカーなどの攻撃の対象となりうる。私たちが住んでいる社会は常に脅威に
さらされて いる」と警鐘を鳴らす。
ではどんな人たちが攻撃を仕掛けているのか。カスペルスキー氏は「サイバー攻撃を仕掛ける人には
さまざまなタイプがある」と解説する。まず、最初に挙げた のはサイバー犯罪者と呼ばれる人たち。彼らは
金儲けのために個人、組織問わず攻撃を仕掛ける。次はアノニマス(匿名掲示板の利用者を中心に祭り、
抗議行 動、DDoS攻撃、クラッキングなどの行為を行う集団)やハクティビスト(社会的・政治的な主張を
目的としたハッキング活動をする人)。彼らの目的は反乱 や抗議を起こすためである。
「ただ、サイバー犯罪者との共通点もある」とカスペルスキー氏。それは使っている技術やツールが
似ていることだ。したがって日中はハクティビスト、夜は サイバー犯罪者というように、同一人物が兼ねて
活動している可能性もあるという。
第三はサイバー兵士である。最近になって報告が増えている。この攻撃が最 も危険で最も深刻な問題だという。
[オンライン犯罪による被害総額は年間1兆ドル超]
オンライン犯罪は、グローバルに行われている。あるボットネットを取引するサイトでは価格表はもちろん、
まるで普通の会社のようにテクニカルサポートやプリセールスなどのサービスを用意している。
なぜ、オンライン犯罪が増えるのか。「それは経済的に非常に儲かるからだ」とカスペルスキー氏は語る。
あるマルウェアを開発していた犯罪者は一日平均 1000?5000ドル稼いでいたという。中には2万5000ドル
稼いでいた人もいた。しかも用意するのはコンピュータとインターネット以外は知識だけ。 自宅にいながら、
大金を稼ぐことができるのだ。しかも犯罪はどこでも起こすことができる。「残念ながらサイバー犯罪は今後も
どんどん増えていくと思う」と カスペルスキー氏。
では、どのぐらいの被害が予想されているのか。2?3年前に同社ではマルウェア犯罪による世界経済への
影響を試算したところ、年間1000億ドル規 模になるとしている。また別のセキュリティベンダーによると、マル
ウェア以外の犯罪も含んだ被害総額を1兆ドル超と予想しているという。
「昨年日本で起きた東日本大震災の被害総額は約3000億ドルといわていますが、サイバー犯罪に
よる被害はその3倍もの金額。いかに被害が大きいかわかるだろう。しかも放射能汚染と同じで、
なかなか影響の深刻さに気がつかないのです」
出典元:EnterpriseZine(http://enterprisezine.jp/article/detail/3941)
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